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「年寄りは衰えてあたりまえ」とみなす高齢者は衰えがち
「悪化してあたりまえ」という偏見の結果、悪化を看過する
2006/02 EurekAlert
Elders' stereotypes predict hearing decline
高齢者についてネガティブな偏見を持っている高齢者は、その後に耳が遠くなる率が高め。
加齢による聴力減退には、単純な身体の加齢以上に、社会心理学的な要因も関わっているんじゃなかろうか。
アメリカ・エール大学で、70歳の高齢者546人を対象に行われた調査:
まず聴力を検査するとともに、各自「年寄りについて、どんなイメージを持っているか(内面を考慮するか/外見で判断するか、肯定的に評価するか/ネガティブか)」を調査。
3年後に再度、聴力を検査。
高齢者について「ネガティブなイメージ」を持ち「外見で判断する」タイプの人が、最も大きく聴力が低下していました。
= 年寄りに対して悪い偏見を持つ人ほど、「耳が遠く」なっていた。
「高齢者はヨボヨボでいろいろダメになっていくものなのだ」とネガティブに思い込んでいる人は、「高齢者は知恵高く聡明な判断を下せるようになる」的な肯定的イメージを持っている人より、治療や訓練、生活習慣など、対策や向上のための工夫をせずに、あきらめてしまうからじゃないだろうか。
聴力が減退すると、自己評価が低下し、人付き合いが疎遠になって孤立を深めたり、うつに陥ったりしかねない。

Journals of Gerontology: Psychological Sciences, Vol. 61, No. 2 (March 2006)



「**は〜〜するもんだ。」と思い込んでいると、「〜〜」になることを防ごうという気がなくなる、「〜〜」になってあたりまえだという方向に、ものごとを流してしまう。
加齢の衰えではない、炎症などの病気による聴覚異常は、早期治療をすれば普通に治せたりします。
なにか取れる対策があるかもしれないから、聴覚の異常は放置せずに、お医者に相談するなどしてみてはいかが。
実際、あきらめてない人(高齢者の能力にネガティブなイメージを持っていない人)は、平均してなんぼか聴力が良いと調査で出たわけなんですから・・・。
自業自得
高齢者差別をする若者は健康にハンデ:長期調査の結果
2009/03 EurekAlert The perils of ageism
年寄りに対してネガティブな偏見を持つ若者は、のちに心臓病・循環器系疾患に見舞われる率が高い

この手の「自己成就効果」現象は、社会経済的階層でも頻繁に観察されます。
下層の方では、このような「はなからあきらめる思い込み」が再生産され共有されまくってたりします。
・どうせ出世なんかデキやしないんだから
・学校なんか行っても無駄だ
・勉強ができなくてあたりまえ

性差別でも、観察されます。
・どうせ女子は算数には向いてない
・女が大学院なんか行っても無駄だ
・女性は理系に少なくてあたりまえ

はては、兄弟の生まれ順でも、「自分はどうなりそうなのか」の思い込みが強く刷り込まれていたりします。
・上の子はデキがいい
・下の子は甘えっ子
・一人っ子は完璧主義

「自分というものは、どういう存在で、どんなふうになっていくのか」
ここに、何か良からぬ思い込みが刷り込まれてはいませんか。
「母親という存在は、どんなもので、どんなふうになっていくのか」
「**さんという存在は、どんなもので、どんなふうになっていくのか」
「孤児という存在は、どんなもので、どんなふうになっていくのか」
「韓国人や中国人は、どんなもので、ロシア人とはどう違うのか」
「日本とは、どんなもので、どんなふうになっていくのか」
想定をせずには生きられないけれど、想定が、将来を生かしもし、殺しもする。
なにに縛られて、想定してしまっているのか。
省みる余裕はありますか?
