偏見の心理学→ 偏見チェックの心理テスト

偏見の心理学→ 偏見の影響で成績が下がる

偏見の心理学→ 男女別教育は性差別を強める

偏見の心理学→ 混成チームは偏見解消にも成績にも良い

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遺伝子や進化など、科学的な説明が偏見を助長するケースはコレだ

「ヒトはこんな性質にできている」的な物言いにご用心!

偏見の心理学→ Effects of genetic and experiential explanations for killing on subsequent bug-killing behaviour and moral acceptance of killing
「虫を殺してしまうのは、人間の生まれながらの性質だ」との記述を読むと、虫殺しに対する抵抗感が薄まる。

「育った環境が悪いせいで、悪行をやらかしてしまうのだ」
「文化的に、〜〜するように刷り込まれているのだ」
的な説明よりも、
「悪行をやらかしてしまうのは、遺伝子にそうするように書かれているからだ」
「進化的に、生まれつき〜〜するようになっているのだ

のたぐいの表現は、ヒト行動を劣化させるおそれがある。

悪行(例えば殺害行為)についての遺伝子的(行動遺伝学的)解釈に触れた人間は、悪行(殺害や殺害しようとすること)に対する抵抗感が薄くなる。
なぜならば、悪行(殺害や殺害しようとすること)の実行は、異常ではなくあらかじめ自然に備わっているのだから、と解釈されてしまうから。

挿画


無作為に学生を3つのグループに分けて、それぞれに文章を読ませる。
●遺伝子的説明:虫を殺したくなるような遺伝子がヒトには備わっている
●学習経験的説明:虫を殺す人には、幼いときに虫への恐怖を刷り込まれた人が多い
●中立的な説明

次に、虫を殺すことができる(殺そうと思えばできるけれど、放置してもかまわない自由な)シチュエーションの部屋でしばらくすごしてもらう。
各グループの半数には、「虫を殺して下さい」と依頼しておく。

それぞれで、「殺虫行為に対する抵抗感」と「殺した虫の数」をわりだしてみると・・・

●「殺した虫の数」は「虫殺しはあまり悪いことじゃない」と考える人で多めになっていた。

「虫殺しはあまり悪いことじゃない」と考える人は、遺伝子的解釈の文章を読まされたグループで多めになっていた

●「虫殺しはあまり悪いことじゃない」と考える傾向が一番強くなったのは、遺伝子的解釈の文章+「虫を殺して下さい」依頼のグループ。

●しかし「殺した虫の数」は、「虫を殺して下さい」依頼の有る無しでは違いは出なかった。
 「虫を殺して下さい」依頼は、殺虫数(実行)には影響しないけれど、「殺虫行為は悪いことじゃない」と考える傾向を強めた。

●中立的な解釈の読書
●中立的な解釈の読書+殺してね
●学習経験解釈の読書
●学習経験解釈の読書+殺してね
●遺伝子的解釈の読書     =殺虫数多め:殺虫は道徳的に許容できる
●遺伝子的解釈の読書+殺してね=殺虫数多め:殺虫はもっと道徳的に許容できる

University of Canterbury Ibrahim Ismail
カンタベリー大学・心理学 イブラヒム・イスマイル

「先入観、暗示、思い込み」


「虫を殺して下さい」依頼は、殺虫数(実行)には影響しないけれど、「殺虫行為は悪いことじゃない」と考える傾向を強めた。
    ↑
これは 自分の立場を救おうとする心理:認知的不協和の回避 が作用した現象だと思われ。

挿画


mmm この実験では、相手は「虫」です。
 この「虫」は、ふつうに「異国の人」「敵」「異性」「障害者」「病人」「弱者」いろんなものと差し替えて思考実験することができてしまいます。

「病人を気持ち悪がってしまうのは、遺伝子にそうするように書かれているからだ
進化的に、ヒトにはよそ者を嫌悪するような性質が備わっているのだ」
「障害者を気持ち悪がってしまうのは、遺伝子にそうするように書かれているからだ
進化的に、ヒトには異人種を嫌悪するような性質が備わっているのだ」

かような表現は、差別観や嫌悪感を、助長してしまうのかもしれない。

挿画


 市井向けの科学講釈本や、自己啓発系商売本などは、目先の都合(耳目を引く、集客、当座の印象形成)だけで、かような表現を多用する傾向にある。
 長期的な「心理的」「社会的」影響は、鑑みしきれていないし、差別を助長しているという踏まえもない。

 「そのような、備わっている悪い性質」は、適宜、文化慣習によって抑えこまれることによって、社会は秩序バランスを保っている部分がある。
 市井向けの科学講釈本や、自己啓発系商売本などは、文化慣習のちゃぶ台をひっくり返してナンボという商売なのかもしれんけど、ヒトの長期的幸福度を考慮に入れた場合・・・あ、いや、ごめん、目先の商売なんだもんね、商売の邪魔しちゃいけないね。

    再帰性再帰性再帰性再帰性再帰性

 もう疲れたよ。



参照:同じ研究者による同様の「自然主義的誤謬」研究報告
科学に佇む心理学→ 『遺伝子や進化心理学的な講釈が、男の行動を劣化させる場合』

「先入観、暗示、思い込み」
・ テーマでチェック







 → 記事の全タイトル一覧



・ ブログ内を検索する
・ リンク
科学に佇む●endbooks

Since 2011/10
偏見の図解




・ QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。